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「ぼくは靴をはくのが大嫌いだ。 しかし、背広を着て働いている以上しかたがない」と、私の店に来られたビジネスマンのお客様が言いました。
社内では、自分の椅子に座っているときは靴を脱いでいるし、社外の人を交えた会議の席などでも、椅子の下で靴を脱いでその上に足をのせているそうです。 ある日の会議で例によって靴を脱いでいると、「きみはどうして靴を脱ぐのか。
外国ではマナー違反だ」と同席していた外国人に言われました。 この外国人と彼はたびたび仕事をいっしょにしており、以前から彼のこの癖を不愉快に思っていたらしく、やめたほうがいいと言ったあとで、「足に合っていない靴をはいているからではないか」とアドバイスしたそうです。
そう言われて、余計なお世話だと思わず反論したくなったといいますが、もしかすると外国人の言うとおり、足が靴に合っていないのではないかと考え直し、私の店に来られたのです。 足に合わない?この話を聞いて私は考えました。
たしかに、外国ではマナー違反であるかもしれませんが、座っているときに靴を脱ぎたくなるこのお客様の気持ちもわからないではありません。 私にも経験があります。

外回りから会社に帰ってきたときなどは、ほっと一息つくと同時に、靴も脱いでくつろぎたくなります。 会議のときなら、リラックスしなければ良いアイデアや方針が出ませんから、むしろ靴を脱いだほうがいい場合もあるでしょう。
また、ビジネスマンの方たちがはいている現在の日本の紳士靴は、脱がないですませることができるほど良い物とは、必ずしも言えません。 紳士靴も婦人靴と同様、あまり機能的とは言えない、先の細いスマートなデザインの靴が主流ですし、かといってスリップオン式の着脱の容易な靴は、その便利さの反面、足にフィットしていない場合が多いのです。
たとえばウレタン底の靴だと、足がむれます。 とりわけ高温多湿の夏は、冷房の効いた室内でも、はいていろというほうが無理な状況になりがちです。
マナーの点からは、国際化時代を迎えた今日、脱がないほうが無難でしょう。 ある外資系の会社で働いている女性からも、日本人社員の靴のマナーの悪さを聞いたことがあります。
靴を脱いでむれた足を出すと、プーンと嫌な臭いを発して、まわりの人の迷惑になり、実害を伴う場合もあります。 しかし、脱ぎたくなるファクターがいろいろあることもまた事実ですし、ビジネスマンの仕事靴として市販されている靴が最適かという点については、研究の余地があります。
仕事に使える靴とは?仕事の靴は、大きく分けて二つの方向から考えられます。

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